理想とする蕎麦を追い求めていくためには理にかなった本物の道具が必要です

石臼

蕎麦の味は蕎麦の実が本来持っている味や香りで決まります。良い蕎麦の実は甘みが強く、爽やかな香りがします。蕎麦の実の栽培で最も信頼し尊敬している山形や埼玉の農家様の蕎麦の実の味や香りを最大限に引き出せるよう石臼を設計し制作しました。日々違う環境でもより良い蕎麦になるよう石臼での製粉技術を研鑽しております。

麺棒

私が考える良い麺棒とは、たわみ具合が良い物です。全くたわまない麺棒は厚みの調整ができず、たわみ過ぎる麺棒は手の下の部分しか延せず全体を延すことが出来ない。麺棒の動作は下に押して生地を延ばしていくのですが、たわみ具合が良い物は生地の出っ張った部分に手を置いて延しながら手が置かれていない部分も延されていくため厚みの調整が上手に出来ます。さらにこの麺棒は普通の麺棒と違いエンボス加工がされており、麺棒の動作の基本である下に押して伸していくことしかできず生地に優しい延し方ができます。またエンボスの効力で生地が強くなります。(段ボールが薄い紙でも強度があるのと同じ効果)

包丁

蕎麦包丁は重いほうが良いという人もおられますが、私が思う良い包丁とは軽くてよく切れる包丁です。鍛造で作られており重心が手前にあり幅広でありながら軽い包丁が理想です。包丁は押すか引くかの動作で切ります。落とし包丁は素材を傷めます。(よく切れる包丁に指を軽く当てても切れませんが、ほんの少しでも前後に動かすと指は切れます)また刃の厚い包丁は切ったときに刃の厚さの分だけ切った蕎麦を移動させるため蕎麦が切れやすくなります。特に髪の毛のような細さの更科そばなどはその現象が顕著に出ます。理想の蕎麦包丁は軽く重心が手前にありよく切れる包丁です。

駒板

駒板は蕎麦を真っすぐに切る定規の役割を果たす道具です。私が思う良い駒板とは 枕の堅木の部分が高すぎず幅も太すぎないもので、板の正目が真っすぐなものです。枕の高さが高すぎると包丁の傾に対しずれる幅が多くなるため細やかな調整が難しくなります。また幅が広すぎるものも包丁と手の間が広くなり感覚をつかみにくくなります。駒板の正目を『うずくり』という道具で磨くと木目が浮き出し蕎麦との接触面積が少なくなり抵抗が弱くなることでより軽い力で包丁が傾き軽く蕎麦を切っていけます。理想の駒板は堅木の枕は低く幅も狭く正目が真っすぐな駒板です。さらに今後は正目の板の部分を今の3分の1ぐらいの駒板を作ります。

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